ここではCADの資格として有名な「建築CAD検定試験」についてまとめてみました。
建築CAD検定試験を実施している団体
建築CAD検定試験は一般社団法人全国建築CAD連盟が1993年、日本で初めて建築CAD実技試験として誕生しました。
平成28年12月現在で、総受験者は95,000名、合格者は67,800名です。4級から準1級までの4段階に分かれていて、4級は高校生のみ受講可能で、一般の人は3級以上が受験可能になっています。
建築CAD検定試験の気になる合格率は?
公式サイトに各級ごとの合格率が載っていたのでメモっておきます。
級 \ 年度2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 准1級 35.7% 0.0% 28.5% 32.8% 37.7% 2級 55.7% 55.7% 55.1% 57.4% 52.9% 3級 78.9% 73.4% 76.7% 75.9% 77.7% 4級 90.1% 88.9% 91.2% 90.0% 91.9%
業務で使える建築CAD検定試験の資格はどのくらいのレベル?
「資格を持ってます!」といってもある程度のレベルの資格ではないと履歴書や経歴書には書きにくいです。では建築CAD検定試験のレベルはどのくらいでしょうか?
ズバリ言うと、
2級以上
です。準1級は相当早く正確な作図が必要なので実務で数年以上CADを使っており、建築スキルもかなり必要なのでかなり難しいです。
また3級は「トレース力」を問われる資格内容なので「CADの資格」としては今一歩という感じです。
なので、目指すのであれば2級がいいと思います。2級なら履歴書や経歴書に書いても十分通用する資格です。
各級の求められるレベルは公式ページの書かれている試験内容をご参照ください。
建築CAD検定試験2級の試験内容
ここでは目指す資格の2級について解説します。
建築CAD検定試験2級の「合格に求められる能力の基準」を公式ページから抜粋します。
2級は、『実社会で求められる一般建築図を作図できるCAD技術者』を指します。能力としては、自らの建築知識をもとに設計者から与えられた「図面のラフスケッチ」から、CADシステムで実務で必要な一般建築図を描く能力があるかを判定します。試験問題で与えられる「参考図」がここでいう設計者のラフスケッチにあたります。
試験では、多数ある参考図の正確な読取りによる「平面詳細図」と「南立面図」の作成が課せられます。平面詳細図では建築図面への理解度とCAD操作についての高い知識と能力(正確性とスピード)を測り、南立面図では参考図にあるいくつかの2次元図面からその建物の形状を理解・想像する能力を試します。
難しいことを書いていますが、書き上げる図面は以下の2つ。試験時間は5時間です。
- 平面詳細図(S=1/50)
- 南立面図(S=1/50)
この図面を以下の資料をみて書き上げます。
- 問題の概要や注意点が書かれたA41ページの用紙(図面に書くべき内容が記載されているのでよく読むこと!)
- 1階平面図(S=1/100)※寸法入りです。
- 2階平面図・1階屋根伏図(S=1/100)※寸法入り、1階屋根伏図がない場合もあり。
- 2階屋根伏図(S=1/100)※寸法入り
- 平面詳細図の参考図(S-1/50)※このクオリティで平面詳細図を書くということです。
- 透視図:家屋をある方向(南東方面が多い)から見た透視図※この図から屋根や窓、ベランダなどを想像します。
- X断面図(S=1/100)※寸法入りです。
- Y断面図(S=1/100)※寸法入りです。Y断面図はないこともあり。
平面詳細図はほぼトレースで書き上げることができますが、難しいのが南立面図。様々な形の屋根が出題されるので、屋根の書き方をマスターしておく必要があります。
ほとんどの屋根は一方向からだけでは作図できず、東や西側から見た屋根形状を書いて、そこから南から見える屋根の高さを割り出したりする必要があります。
公式ホームページに問題例と解答例が掲載されているので、そちらを作図してみるのがいいと思います。
全国建築CAD連盟の出題例を実際に作図してみる
公式ホームページに問題例と解答例にある図面を解説を交えながら作図してみたいと思います。
平面詳細図の書き方
南立面図の書き方
コメント