一般社団法人全国建築CAD連盟が実施している「建築CAD検定試験2級」についての記事です。ここでは2018年度版の試験の傾向と対策についてまとめてみました。
試験の概要を動画にまとめました
試験の概要を動画にまとめました。
時間配分なども説明しているのでぜひごらんください。
建築CAD検定試験2級の出題内容
建築CAD検定試験2級は「一般建築図を作図できるCAD技術者」を想定した出題内容になっています。
試験では、
- 自らの建築知識をもとに
- 設計者から与えられた「図面のラフスケッチ」から
- CADシステムで建築一般図を描く実力
が試されます。
試験で与えられる「平面図・屋根伏図・断面図・透視図」などが「設計者から与えられたラフスケッチ」にあたります。
これらの図面を見ながら
- 平面詳細図 S=1/50
- 南立面図 S=1/50
の2つの図面を5時間で書き上げるのが建築CAD検定試験2級の問題です。
ラフスケッチにあたる各図面はS=1/100スケールになっており、提出する図面はS=1/50で書きます。なので、与えられたS=1/100の図面よりもより詳細な図面を書く必要があります。
建築CAD検定試験2級の平面詳細図について
建築CAD検定試験2級で出題される「平面詳細図 S=1/50」は、ラフスケッチとして与えられる「S=1/100 平面図」を見ながら書きます。
S=1/100平面図では、壁は単線で書かれ、建具も簡略化されています。
これをS=1/50平面詳細図にする際には、壁は躯体線(構造体)と仕上げ線に書き分け、建具は内枠、サッシュ枠、框、ガラスなどを表現する必要があります。
与えられるラフスケッチの中に「平面詳細図の参考図(S=1/50)」があるので、ここに書かれているレベルの図面を書くことになります。
建築CAD検定試験2級の南立面図について
もう一つ書く図面が「南立面図 S=1/50」です。これは平面図、屋根伏図、断面図、透視図といったすべての図面を見ながら書きます。
一番難しいのが「屋根の高さ」です。建築CAD検定試験2級の南立面図は、東側あるいは西側に切妻屋根を書き、棟高を南立面図へ持ってきて書くというスキルが必要になります。
また、建具やバルコニーや手すり、土台水切、デッキといった要素も含まれているので、それらも忘れずに書いていきます。
建築CAD検定試験2級を解くための注意点
建築CAD検定試験2級では、この試験特有の部分がいくつかあります。これをきちんと理解して問題に取り組みましょう。
特有の部分と言っても、その情報は全て与えられた問題の中に書いてあります。
補足説明をよく読もう!
補足説明にはとても重要な内容が書かれています。過去5年間の問題では違いはありません。が、今後は変更になるかもしれないので、問題が配られたらまず補足説明を確認しましょう。
補足説明を動画にまとめました
補足説明のポイントを動画にまとめました。
壁の書き方
補足説明には、
- 壁厚は構造体厚を100mm、仕上げ厚を25mm(両面で50mm)とし合計150mmとする
と書いてあります。具体的には以下のように書きます。
なお、寸法は壁芯から測りますが、解答を提出する時は壁芯を非表示にする必要があります。
サッシュの書き方
普通は「サッシ」と呼ぶことの多い建具(アルミ製が多いのでアルミサッシ)ですが英語のスペルが「sash」なので「サッシュ」と発音するのが正解のようですが、「サッシ」が一般的になっちゃってますね。
ちょっと話が横にそれました・・・(^^;
補足説明には「サッシュはアルミ製とし、見込み寸法は100mmとする」とあります。見込み寸法とは、窓の奥行きの寸法のことです。
アルミ製なので、サッシュ枠やガラスなどをかき分ける必要があります。具体的には以下のようになります。
サッシュの幅と高さの測り方
このサッシュの測り方は色々とありますが、建築CAD検定試験2級では補足説明に「サッシュの幅と高さは躯体の開口寸法である」と明記されています。
つまり下記の図のように、サッシュの枠も含めた幅と高さがサッシュの寸法になります。
その他、詳しいサッシュの書き方は別記事にまとめ中です。
トイレの書き方
2017年の試験から、補足説明の中に
- 便器は楕円だけでもよい
と書いてあります。なので、以下のように書いていればどれも正解です。
建築CAD検定試験2級の寸法指定のない部分の作図について
補足説明には
- 各図面でサイズを指定していない部分は、適していると思われる位置/サイズで描くこと
とあります。
サイズに関しては、定規や三角スケールで測ることをお勧めします。問題の図面は1/100なので、通常の定規で測った長さを100倍すればいいです。例えば、1cmの長さだったら10mm×100で1000mmです。
サイズの書いていない建具や設備機器、ドアの位置やサイズは100mmまでのずれは許容範囲として認められています。
なお、試験問題の平面図は910mmグリッドモジュールになっています。建具の位置はその半分の455mm上に乗ることがほとんどです。
次は、具体的に平面詳細図や立面図の書き方について解説します。
平面詳細図の書き方
平面詳細図の書き方をまとめましたのでごらんください。
南立面図の書き方
南立面図の書き方をまとめましたのでごらんください。
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